2010年にSEGAから発売されたRPG。
『魔法のパン』が中心となったちょっと変わったストーリーが特徴です。
パッケージイラストがかわいいので見たことある人も多いはず…!
冒険ファンタジー&スローライフRPGとの触れ込みですいイメージ的には『ルーンファクトリー』に近い雰囲気を持ったゲーム。
今回は『シャイニング・ハーツ』
紹介&レビュー記事です、最後までごゆるりと。
ストーリー
あらすじ
様々な種族が交流を持ち暮らす島『ウィンダリア』
パン屋として働くリックはある日、漂流した少女『カグヤ』を発見します。
最初はココロを失ったカグヤですが、ココロを込めて焼いた『魔法のパン』や心優しい島の住人たちを通じて少しずずココロが回復していく。
しかし同時期に島には海賊が襲来、島とカグヤを守るためにリックと仲間たちは立ち上がります。
カグヤが全てを取り戻した時、この世界の結末は…
舞台・場所・キーワード
ウィンダリア
美しい海に囲まれた島『ウィンダリア』が今回の舞台です。
島の住人はみな優しく、一丸となって家族のような存在。
島の色々な場所には畑や自生した植物が生い茂り、自然も豊かな場所です。
また、よく人が漂流する不思議な場所でもある、ここで漂流したひとは漂流人(さすらいびと)と呼ばれる。
マデラのパン屋
主人公のリックが務めるパン屋、リックもここに流れ着いた漂流人でこのゲームのパートナーの女の子に拾われます。
マデラはパン屋を切り盛りしている言葉は荒いが優しいおばあさん。
マデラのパン屋のパンはは心から美味しいと評判です。
ココロ
魔法のパン屋が心から美味しい秘密…それはココロを込めて焼いているから。
私達が料理の本で読むような抽象的なものではなく、実際に『ココロ』を込めています。
パン屋はココロを集めるランタンを渡されています、周りの人が発する『嬉しい』『怒り』といった感情をランタンに集めているのです。
カグヤ
ある日島に流れ着いた少女『カグヤ』
謎の多い少女ですが、感情に素直でとても可愛らしい一面も見せます。
この少女がこの物語のキーになっています。
漂流人
ウィンダリアには何故かよく人が流れ着きます。
漂流人は記憶をなくしてしまうのが特徴で、人によっては記憶が戻ることもありますがそのあたりは曖昧なようです。
リックもパートナーも記憶が戻っていません。
船
リックとパートナーは海に打ち上げられた船に住んでいます。
元々はパートナーの女の子がここに打ち上げられた船を住めるように修繕したものでリックはここに居候させて貰っている形です。
ストーリーが進行するごとに船も少しずつ変化していきます、遠くに行けるようになったり設備が追加されたりします。
システム
パン焼き
リックはパン屋に勤めているのでパンも焼きます。
勤めて間もない頃は配達しか出来ませんが少しすると焼くことができるようになります。
女の子にあげるプレゼント、依頼の品など焼く機会はたくさん。
パン焼きは凝った作りになっていて、焼くこと自体もミニゲーム仕立てになっています。
材料の選択
材料はパンによって変わります。
基本のパンなら小麦粉・卵・砂糖など 他にもレシピによってふくらし粉やカレー、牛乳など材料は様々。
その材料もグレードがあり 小麦・特上小麦・。ゴールデン小麦・などなど入手が難しいのもあります。
いい材料を使えばなんでもいいってものでも無いですが、いい材料を使ったほうが良いパンはできやすいです。
ココロを込めるメロディ
パンを焼く際に『メロディ』を選択します。
メロディにはパンの★の数の上限と焼き加減の相性があります。
★はパンの美味しさを表すもの。
パンには『ふんわり』『普通』『こんがり』の3種類の焼き加減があり、それぞれパンとの相性があります。
例えばフランスパンのような固いパンはふんわりよりもこんがりと焼いたほうが美味しいです。
なのでこんがり焼くのに適したメロディを選択するのが良いです。
『ココロ』を込めるためのメロディなので、メロディによって込めるココロが変わります。
ココロがたくさん必要なメロディは★が多く付きやすいです。
バトル
基本はオーソドックスなコマンド式バトル。
通常攻撃の他に、必殺技、魔法、道具のコマンドがあります
通常攻撃
装備した武器で攻撃します。
武器には『剣』『弓』『杖』などの種類があります、どのキャラでどの武器でも装備できるわけではなくキャラごとに得意な武器があります。
隊列
敵は5体・味方は4人までパーティーを組むことが可能で、前後の隊列を決めることが出来ます。
後ろにしたキャラは敵の前列の『剣』などの射程の短い攻撃を受けないですが、後ろにしたキャラは『弓』などの遠距離武器ででしか攻撃が届きません。
魔法
どのキャラもMPを消費して色々な魔法が使えます。
炎の攻撃、状態異常の攻撃などの攻撃系魔法。
回復、防御力UPなどの補助。・回復系魔法。
使える魔法はキャラごとに違っています。
必殺技
必殺技は魔法とは違いMPではなく『ココロ』を消費して発動します。
どれもキャラごとに特色のある攻撃で、専用のボイスなんかもあります。
魔法よりも強力なものが多く、ボス戦などではこちらを使用する機会が多くなります。
合体攻撃
リックが通常攻撃をした際に現れる攻撃で、パーティー内に好感度が高いキャラがいることが条件です。
攻撃する前にキャラ選択画面が出現、誰と合体攻撃するかを選択します、合体攻撃をしたキャラは好感度が上昇し、選択しなかったキャラは好感度が減少します。
合体攻撃は選択したキャラごとによって内容が変わりますがいずれも強力です。
道具
戦闘中にしか使えない巻物のようなアイテムもあれば、回復系の道具もあります。
ここまではRPGとしては普通ですが、このゲームはパンを食べることも出来ます。
パンの回復効果が割と強力です。
ヒロイン

主人公のパートナーになる女の子、左から『エアリィ』『ネリス』『アミル』最初に1人を選択することになる。
ゲーム中にはかわいい女の子がたくさんいます。たくさんいます。
島にいる6人の女の子と個別のエンディングを迎えることが可能。
それには好感度が必要です。
好感度
キャラには好感度があります、パンをプレゼントしたり、合体攻撃で選択すると上昇します。
好感度は個別のEDに直結しているので、狙った女の子がいるのなら頑張って上げましょう。
秘密の時間
好感度が高い女の子と夜中に会話すると『見つめる』コマンドが出てきます。
『見つめる』を選択すると夜の秘密の時間の合図。
島の端っこにある岬で少し会話する『会話イベント』が発動します。
色々な一面が見れるので楽しいです。ヘヘ。
好感度が高い状態の秘密の会話はとっっっっってもニヤニヤします。ヘヘッヘ。
会話の選択肢
会話をしているとたまに『時間制限付きの選択肢』が現れます。
どれが正解ってことはないんですが、選択によって好感度が上がったり下ったりします。
嫌われたくないなら頑張りましょう。
選択には時間制限があります、制限時間をすぎると『沈黙』扱いになります。
ときにはそれが好感触ってこともあるので色々と試してみるのもいいでしょう。
鍛冶・釣り
最初はどちらも出来ませんが、ストーリーを進行する途中でできるようになります。
釣りはパンの材料の調達、鍛冶は強力な武具の作成でお世話に。
正直言ってどっちも無くてもクリアは可能なのですが、どちらも楽しい要素なので紹介します。
素材集め
パンの作成にも、鍛冶にも素材は必要です。
素材の入手方法はたくさん。
道具やで購入・自生している農作物の採取・敵のドロップアイテムなど色々なところから入手出来ます。
魚釣りもそのうちの1つで、魚はパンの材料になります。
魚以外にもエビのしっぽや魚の骨など色々なものが釣り上げられます、一見いらないようなものでもパンの材料として替えの効かないものだったりします。
鍛冶
鍛冶は攻略の難易度をがくんと下げてくれます。
店売りの武器よりも圧倒的に性能がいいので、あるのと無いのでは全然違います。
鍛冶の材料は集めにくいものが多いので頭から足まで全身揃えるのは大変ですが揃えられば重要な戦力になってくれるでしょう。
その他
主人公の名前はリックから変更できます(初期がリック)
パートナーの女の子は3人の中から選ぶことが出来ます、なお声優やセリフ、性格などは同じ模様。
感想
パンとココロが中心に回るストーリー
このゲームはリックが漂流するところから始まります、リックを助けてくれた女の子が今作のパートナー、パートナーに誘われ一緒にパン屋で働き始める。
ココロを込めたパンを届けることで進んでいくストーリーは最後まで明るさと悲しさを練り込んだものになっています。
カグヤが来たことで変わってしまった島の平和に立ち向かうリック達の姿には胸打たれました。
リックたちはずっとカグヤをかばっていますが実際の所、島の平和が脅かされたのはカグヤが持ち込んだもの。(実態は世界の危機なのでそうも言ってはいられないが)
カグヤのことは責めずに守り、信じ抜く精神がかっこよかったです。
色々な謎を残す終わり…でもヒロインが可愛いからおっけー!!!
主人公のリック、パートナーの女の子も元々漂流人ですが、その過去については明らかになっていません。
その他にもなぜここには人がよく流れ着くのか?という謎も残っています。
ストーリーの出来が良い分、スッキリと終われたらと思います。
しかーし、今回のエンディングは自分で選択することができるのです!
好感度の高い女の子との個別エンディングが用意されているので、好きな女の子のかわいい一枚絵とともにキュンキュンするエンディングを迎えることが出来ます!
私はシャオメイと迎えました!ねこみみかわいいですあばばばばばば
スローライフRPGは言い得て妙
ゲーム自体はそこそこのボリュームです、途中の素材収集なども含めれば50時間前後は普通に過ぎてしまいます。
好感度上げや釣り、鍛冶のシステムなどやり込める要素はたくさんあります。
パンを焼きながら釣りをして平凡な毎日を過ごす…そんな『スローライフ』も送れますが、別の意味でも『スローライフ』です。
全体的にテンポが遅いのです、ロードも頻繁に挟まりますしダッシュ中にコケることもあります。
何より戦闘のテンポがめちゃくちゃ遅いです。
単純に動きが遅いのが原因で、動きの一つ一つがワンテンポ遅いです。
魔法発動前にカットインが挟まれたり、魔法の発動エフェクトはこだわっていて素敵なのですがテンポの遅さに拍車を掛ける扱いに。
設定で戦闘を演出重視からテンポ重視にすればある程度改善はされますが、素材収集などでも戦闘をするので戦闘の絶対数が多く、気になる点となりました。
いくぞ!合体だ!
通常攻撃時に発生する合体攻撃、キャラによって専用のセリフが用意されていて発動自体が楽しみな要素です。
発生すれば攻撃は強力ですし、一度の発動で二人分攻撃できるので一粒で二度美味しいです。
ですが…ですが…今作最大の惜しいポイントなのではないでしょうか。
今作はオート攻撃が実装されています、△ボタンを押せば自動で攻撃してくれるのでレベル上げなどに役立つ…はずったんですが。
オート攻撃中にも合体攻撃が発動しキャラ選択画面が表示されます。
キャラ選択画面は時間制限があるので放置していれば勝手に進みますが、テンポが遅くなる原因になりました。
もう1つ、選択しなかったキャラの好感度が下ってしまうんですよ。
なので好感度って面では非常に心苦しいシステムです。
じゃあ誰も選ばなきゃいいじゃん!って?シャオメイが誘ってんのに断れるわけ無いやろ。
単純に戦法に組み込みたいのに好感度が下げたくない…みたいな場面になることもありました。
そして、合体攻撃自体は強力なんですが発動はランダム、そしてボス戦では通常攻撃はあまりしない。
なのでMPを節約しながらスムーズにこなしたい雑魚戦では発動しテンポが悪くなり。
MPをガンガン使っていくボス戦ではそもそも発動しないっていう重大な欠点が。
必ず発動できるなら使用したいんですがランダムだとねぇ、ボス戦では一手で状況が変わることもありますし。
豪華声優陣の濃いキャラと薄いラスボス
キャラデザはPS2ソフト『シャイニング・ティアーズ』『シャイニング・ウィンド』に続きTonyさんが担当です。
大人の絵本のような(卑猥な意味ではない)暖かななかにエロさを兼ね備えた絵です、パッケージのイラストもそうですがどのキャラデザもかっこいい&かわいいです。
露出部分の多い服装の女の子が多いのが特徴です、サービス精神だと思います。
声優陣は神谷浩史さんや水樹奈々さん釘宮り理恵さんなど超超豪華メンバーです。
特に釘宮さんは配役がツンデレ貧乳魔女役ってもう最高かよ。
個人的にラスボスがめっちゃ小物感があります。はい。
キャラデザはめっちゃかっこいいんですよ、貫禄と博識が感じられるデザイン。
ですがストーリーではなんとなく噛ませ犬?みたいな感じでした。
あ、ラスボス戦のBGMはかっこよかったです!
足りない…足りない…のはギャラリー機能だあぁぁぁぁ
エンディングイラストやストーリー中に見れるものなど、キャラごとに色々専用イラストが用意されています。
それを後で見返す機能が…ない…
なぜ。
まとめ
システム周りは基本的に良い出来です。
ただ、たくさんの要素がゲームの中に上手く組み込めていないと感じました。
キャラデザや声優は超豪華なのでかわいい女の子と仲良くなるだけでも楽しいです。
ストーリーは少し謎が残るものの、ある程度まとまったのでは無いでしょうか。
グラフィックもきれいでそこそこのボリューム、パンを焼いたり個別のエンディングをたり、楽しさに溢れたゲームです。
興味が出たならぜひ買ってみてくださいですはい。
ジャンル:RPG
発売日:2010年12月16日
対象年齢:B(12歳以上対象)
発売元:SEGA
開発元:スタジオ最前線